深層学習による画像処理
ユーザの目的に応じて画像を処理・編集する技術は,コンピュータグラフィクスやコンピュータビジョンの分野で盛んに研究が
行われている.特に近年,多層の畳み込みニューラルネットワークを用いた深層学習がこのタスクに広く応用され,これまで難しかった
高度な画像処理を可能にしている.本チュートリアルでは,まず画像処理に関わる深層学習の基礎知識について解説し,
その後具体的な研究事例を紹介する.さらに,深層学習技術を実問題に応用する取り組みについても紹介し,現状の問題点や
今後の展望について考察する.
略歴
筑波大学システム情報系/人工知能科学センター 助教.2015年 筑波大学大学院システム情報工学研究科
博士後期課程修了.博士 (工学).日本学術振興会特別研究員 (DC1),早稲田大学研究院講師を経て2018年10月より
筑波大学に勤務.主に画像処理・編集に関する研究に従事.
深層学習を用いた3次元復元とデジタルヒューマンにおけるその応用例
このチュートリアルでは,3次元復元深層学習における様々な形状表現の特性および具体的な学習方法を紹介していきます.
またその応用事例としてデジタルヒューマンに関する近年の動向や最新研究についても解説を行います.
略歴
Facebook Reality Labs,リサーチサイエンティスト.デジタルヒューマンの研究に従事.
2020年南カリフォルニア大学にてコンピュータ科学のPh.D.取得.在学中マックスプランク研究所,Facebook AI Research (FAIR),
Facebook Reality Labs,Adobe Research,東京大学,Pinscreenにて研究活動に従事.
2014年から2015年までペンシルバニア大学客員研究員.2014年早稲田大学応用物理学専攻修士課程早期修了,2013年早稲田大学応用物理学科卒業.
2019年,2021年CVPR Best Paperノミネート.2020年SIGGRAPH Real-time Live!にてBest in Show Award受賞.
レンダリング
CGにおけるレンダリング,特に光の伝搬のシミュレーションに基づく写実的レンダリングでは,機械学習がどのように使われているか,
主にdenoisingについてその概要を説明します.
略歴
2020年から University of Waterloo にて,Associate Professor として勤務.2011年に
Ph.D. (Computer Science, University of California San Diego) 取得後,Aarhus University
(Assistant Professor 2011 - 2014),東京大学 (講師 2014-2018,准教授 2018-2020) を経て現職.
主な研究内容は,レンダリング,光伝搬シミュレーション,計算統計,数値解析,力学シミュレーションなど.
イラストレーターを支援するCG技術
文明の黎明期から,人間は感情を伝えたり,抽象的な概念を表現したり,事象を記念したり,知識を伝えたりするために,
常に絵を描いてきました.洞窟画から現代のデジタルペイントソフトウェアに至るまで,技術は描画を支援してきました.
近年,敵対的ニューラルネットワーク (GAN) のような機械学習により,人間のイラストレーターはもう必要ないのではないかと
主張する人も出てきました.このチュートリアルでは,イラストを支援するCG技術を紹介し,GAN後の世界におけるイラストの未来
について議論します.
略歴
早稲田大学理工学術院の准教授.2011年BarcelonaTech工学科卒業,2015年同大学でPh.D.を取得.
2015年8月より早稲田大学に勤務. 2018年3月まで早稲田大学 理工学術院総合研究所の研究院講師.
2018年8月まで科学技術振興機構のさきがけ研究員. コンピュータビジョンとコンピュータグラフィクスと機械学習,
特に画像処理に関する研究に従事,筆頭論文にCVPR,ICCV,IJCV,SIGGRAPHなど.
微分可能レンダリングと深層学習
三次元モデルのレンダリングを深層学習のレイヤーとして用いること(≒微分可能レンダリング)によって,三次元空間のモデルと
二次元空間のモデルをまとめてひとつの大きなニューラルネットワークとして扱うことができるようになる.
これはグラフィクスとビジョンの境界領域にある技術で,画像を入力とした三次元モデルの推定などに応用されてきている.
本講演では,微分可能レンダリングの基本的な考え方,応用例,ソフトウェアとその限界についてを紹介する.
略歴
2020年 東京大学 博士課程 修了.博士 (情報理工学).2014年よりソニー株式会社にて音楽・音響処理に関する研究開発に従事.
2018年より株式会社 Preferred Networks にて三次元コンピュータビジョンに関する研究開発に従事.
2018年 NVIDIA Pioneering Research Award 受賞.
キャラクター制御機の学習手法
本チュートリアルではゲームやVRなどのリアルタイムなアプリケーションに対応可能な人体動作の学習方法について説明する.
主に歩行,走行,バスケットボール時などの全身動作と手を用いて物体を操作する動作について説明する.
これらの動作を自然に再構成するためには動作の性質を考慮に入れたネットワークの機構を考案し,
また入出力に冗長性がないように気をつける必要がある.ここでは主に教師あり学習の手法について説明するが,
他の生成モデルについても紹介する.
略歴
理学博士 (東京大学情報科学専攻,2000年).理化学研究所 (2000−02),香港城市大学 (2002−06),
エジンバラ大学 (2006−20)を経て現在,香港大学教授.主にコンピュータアニメーション,キャラクターアニメーション,
物理シミュレーションについて研究を行っている.
特別パネラー
略歴
2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事.博士(工学,東京大学).スクウェア・エニックス・AI&アーツ・アルケミーCTO,立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授,
九州大学客員教授,東京大学客員研究員.人工知能学会理事・シニア編集委員,日本デジタルゲーム学会理事,芸術科学会理事,IGDA日本ゲームAI専門部会チェア.
単書『人工知能のための哲学塾』 『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』『人工知能の作り方』『ゲームAI技術入門』『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』
『<人工知能>と<人工知性>』『人工知能が「生命」になるとき』.共著『高校生のためのゲームで考える人工知能』『ゲーム情報学概論』『FINAL FANTASY XVの人工知能』