昭和10年地域振興の為に、中国からじゅうたん織りの技術者を7名招聘し始まった山形県でのじゅうたんづくり。文化の伝播でなく、直接の技術導入でじゅうたんづくりが始まりました。以来、高品質なものづくりを評価頂き新宮殿、赤坂離宮、京都迎賓館、バチカン宮殿など国内外の著名建造物に納入をして参りました。“良いもの”=“贅沢品”という概念、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災という、我々のものづくりが“贅沢品”の一括りにされ、成り立たなくなってしまうような環境激変の中、生き残りをかけブランディングを行い、立ち上げたホームユースブランド「山形緞通」、そのブランディングの取り組みを、奥山清行氏、隈研吾氏、佐藤可士和氏、千住博氏とのコラボレーションのものづくりを含め、お話しさせて頂きます。
著者は1970年にコンピュータグラフィクスの研究をはじめて半世紀が経過しました。また、名誉なことに2017年秋に、CG研究の功績で「紫綬褒章」を頂きました。本講演はその記念講演でもあります。研究を始めた頃は貴重な計算機で「絵を描いて遊ぶな」と非難されましたが(そこで、タイトルに「遊びではじめ」を入れた)、評価されないながらに仲間とともに半世紀CGに魅せられ愚直に研究を重ねてきました。本講演では、日本のCG研究の創成期のはなし、SIGGRAPHなど世界の学会の変遷、著者の広範囲のCG分野の内特に先駆的研究(ソフトシャドー、ラジオシティ法、大気散乱、Bezeir Clipping法など)の特徴や魅力、及びドワンゴCGリサーチの成果や魅力について述べます。
近年、ILM や ピクサー、ディズニーなどの欧米大手VFXスタジオ、アニメーションスタジオでは、CG 映像制作のための各種ライブラリをオープンソースプロジェクトとして公開する動きが盛んです。大規模化するコンテンツ制作を支えるためには膨大な研究開発が必要になりますが、品質の高いライブラリをオープンソース化することで開発者コミュニティとの相互貢献、データ互換性の向上、人材教育の効率化など様々なメリットが得られることがわかってきました。また意欲的な個人にとっても、大手スタジオの現場と交流をもち就職につなげる重要なきっかけにもなります。このセッションでは Pixar USD や OpenSubdiv などのオープンソースライブラリと、その開発に参加していく方法をご紹介します。
映画のvfxにおいてデジタル・ダブルはもはや当たり前の時代ですが、デジタル・ヒューマンとなると一気に難易度があがります。弊社では、亡くなった俳優を蘇らせ演技させたいというモチベーションから「デジタル・ヒューマン プロジェクト」を立ち上げ、R&Dとアーティストが表裏一体となり技術と映像の開発を行いました。そこで開発された技術やその過程を紹介しつつ、CGでリアルな人物を作って演技させることがいかに大変かを垣間見て頂ければと思います。また同時に、実際にアーティストが使うツール開発はどういったところがポイントになるかもお話し出来ればと思っています。